(8)3歩目はDXC-M3Aのショック、上には上が。    
 例の後輩が連れてきた方は、とっても大きなケースを持参していました。それがカメラだと直感しましたが、BY-110に比べたらとにかく大きかった。
 そしてそのカメラが、深みにはまる3歩目だったのです。
 それは、ソニーのDXC-M3Aという、やはり3管式のカメラで、  後輩は「とりあえず見てみなね!」と言ったものです。
 私はBY-110がすでに3台もあるし、それで充分気に入っていましたから、さして興味は沸かず、面倒だな〜ぐらいの印象でした。
 ところが、カメラをセットして、自動レジストレーションとかいう機能が働くのを見て、おっ、なんか凄いじゃん、カチャカチャ音を立てて合わせこんでゆくさまが非常の面白いと感じました。
 そしていよいよ、モニター(その時はビクターのザ、AV第三ネットワークというテレビに映ったDXC-M3Aの画をみて、全くショック。
 根本的に画質が違うのです。色はBY-110より薄めでしたが、解像感やノイズのないすっきり感がまるで違うのです。後輩は私の顔をみていいました。

  DXCーM3A  
 
   「太田さん、これが本当の3管ていうんだよね。110だって腐っても3管だから単管よりはずっといいけど、ちがうべー。」
 その時私はくやしいけれども、返す言葉もなく、ただただため息でした。

 その当時、うちの貸スタジオでは練習するお客さんの待ち時間用に、マンガ本がいっぱい(3000冊くらい)おいてありました。そのなかに「リンカケ(リングにかけろ!)」というのがありまして、一シリーズ話しが終ると、それまで物凄く強かった悪者をいとも簡単に倒しながら、更に強い悪い奴が登場するのです。
 しまいには、いい加減にして欲しいなと思うくらいそのパターンで話しを続けてゆくのです。
 そんことあるはずないよと思うような筋書でしたが、なんと私のカメラ遍歴はまさにリンカケそのものだったのです。
もうこれで最高と思った直後、後輩が次の敵を連れきたのです。
 そして、それはポータブルのデッキにも大きい影響を及ぼしていったのです。

VОー6800  

    (9)水野社長との出会い続き。