(7)いよいよ3歩目への助走?(3)    
 そして、いよいよ例の後輩を呼びました。KM-1200を注文するということで。
 後輩にデイズニーランドの画を見せると、今度は、
さすが、腐っても3管だよねー。太田さんも随分短い間に進歩したがねー。」
 そして、3管ならではの優れている部分を再生画をチェックしながらレクチャーしたのです。金属部分の質感とか、色の階調とか、画のぼけ具合とか、よくは理解できませんでしたが、一応褒めてくれたみたいでした。ただ、これには、KM-1200を買うという状況下でしたから、あまりあてにはなりませんでしたが。
 それよりも最初の一言目の(腐っても)の部分が気になったのですが、その時はそれ以上なにも言ってくれませんでした。
 そして、後輩の勧めで、S11を2台とBY-110の3台でKM-1200を使ってコンサートの3カメ収録に挑んだのです。
 なお、これまではカメラの変遷ばかり書いてきましたが、録画デッキも当然変わってきておりました。
 しばらくは、ポータブルのHR-2650が中心でしたが、その後ベータの存在を知り、マニアはベータ?ということで、ハイバンドベータ、スーパーハイバンド、ウルトラスーパー(改造)ハイバンド、そしてEDベータと標準コースを歩んでまいりました。
 途中S-VHSがリリースされた時は、HF-3000を買ったばかりの時でかなりショックだったのですが、3000をウルトラスーパーに改造してEDベータの出現を待ったのでした。
 というのも、当時私をはじめ沢山の友達やお客さんがビデオ機器の購入を検討していた時期でしたので、それならと、私のお店(貸スタジオ)をソニーの代理店(家電)にしてしまったばかりなのです。  家電に関しては松下やビクターに浮気をできませんでした。
   
   遅れること数カ月、EDベータリリースの雑誌記事はサロンやオーデオビデオ等の雑誌を穴があくほど良くよみました。特に、評論家の飯田先生の信州撮影レポートなどは、スクラップにしてとってあるほどです。
 また、BY-110の3カメ撮影の頃は、HF-3000を使っておりました。勿論、旅行の時もインバータで100Vを起し、20メートルくらいの長尺ケーブルで据え置きデッキをポータブル代わり、これは、U-マチックのVОー6800を手にいれるまで、ずっと続きました。
   そして、話しはコンサート3カメ収録にもどりますと、その撮影結果の評価は微妙?なものでした。
 いままで凄く奇麗だと褒めてくれたお客さんが、GX-S11が故障?しているのかな、とまで言うのです。
 つまり、3カメで撮るとき、センターのメインカメラにBY-110,左右のカメラにS11とS700を配したのですが、110から単管にワイプすると、あまりの色の濃さの違いで、あれだけ色の濃く出ていたはずの、S11でさえも、白黒の世界かなと思ってしまうほど、薄く感じられるのです。
 太陽光の下では色が出ても、室内の照明では、たとえ文化会館のようなホールでも駄目だったのです。 それが、BY-110だけはしっかりと色を出しておりました。

 てなわけで、私が3台とも、すべてBY-110にしてしまうのに、そう時間はかかりませんでした。
 其れから3ヵ月後には、単管を下取りさせて、すべて交換してしまったのです。
 一台は「しらくら」さんに、もう一台は「フジヤエービック」さんでした。
 それから、すべてがBY-110になった頃、例の後輩が一人のお客さんを連れてやってきました。そして、その時(腐っても)の意味がはっきりしたのでした。
   
    (8)そしてはまった3歩目続き。