(34)ノンリニアへの道(1) | ||
さてお話を本題に戻しますと、97年にSDI入力付ハイレゾモニターでデジベの画質を堪能できるようになり、さらにもう1台のDVWー250導入でカット編集だけは可能になったものの、テロップも特殊効果も一切駄目、勿論、同じNTSCというフォーマット内ですから、その部分だけアナログで、という苦肉の策もありますが、やはりそれでは「仏作って魂入れず」。 さりとて、フルデジタルも経済的に不可能、で、前述のようにまずは資金調達作戦、そして情報収集、さらにまじめにお仕事もして顧客拡大販路拡張、そこへDVカムといったDVフォーマットの登場、これにより民生も業務も画質の底辺が一気に底上げ、そのような慌ただしい98〜2000年でした。 98年からは収録の基本フォーマットはDVカムとなり、担ぎの撮影と編集がベーカムSPでのアナログリニアセット、99年、年央にカムコーダーのDSRー500WSが入り、ハンディもDVカムで撮れるようになると、ベーカムにダビングしただけで、かなり画質劣化が生じてしまう編集に不満がでてくる、といったような、いわゆる趣味の超高画質追求路線からDVカムレベルでの業務システムの向上に目が向いて来始めたのです。 しかし、その頃、DVフォーマットのリニアシステムへ、ベーカムのリニアセットから総入れ替えするには、デッキを始めとして、テロッパー、特殊効果、などやはり1000万近く掛かってしまうのです。 さすがにそれをやってしまうと、デジベのほうを諦めなくてはならなくなり、それでは趣味から始まった映像業が、本末転倒(←この場合使ってよいのか疑問?)で、業務優先になってしまい、趣味の趣味たる所以が怪しくなってしまいます。(^_^ゞ |
また99年にはPDRー85というビクターのデジタルSフォーマットの最上位機種を入れたりして、ほぼデジベに近い性能でSDI信号のやり取りが格安?で可能になったりすることで、デジベで突っ走るか、デジSにくら替えするか?などの迷っている時期でもありました。 相前後して98年にはPMー9600というMacパソコンとシネマギヤというビデオ取り込みボード、そしてアドビプレミアというソフトで、ノンリニアの真似事みたいなことも始まりました。 それは、ビデオ映像から画像抽出したり、タイトルやテロップを入れたりなどで、数秒、数分のノンリニア、というより特殊効果装置の一部みたいな使い方でした。 ちなみに、その頃は、パソコンの性能も動画を扱うには力不足、インターフェースボードもAD変換、DA変換の性能などで画質もいまいち、加えて記録するHDDも1G1万円位しており、長時間取り込みは難しく、さらに使っていたプレミアも、まだ参照ファイル方式になっておらず、出力する度に改めてムービーファイル作成するみたいにHDDの無駄遣い、非効率、そしてGUIの判りにくさ、安定性など問題点がおおかったのです。 世の中もノンリニアに対するリニアとのパフォーマンス評価は決して高いものではありませんでした。 取り込みに時間が掛かる、編集中にすべてのデータが破壊されたりする、長時間ではコストが掛かりすぎる、データ保存が難しい、アプリケーションの習熟に時間がかかる、必ずしも高画質ではない、また安定性、高画質を求めると、リニアより高価になってしまう、など、などでした。 しかしながら、その頃からパソコン、周辺機器の性能向上が劇的に始まったのです。(^_^)v | |
ノンリニアへの道(2)続く。 |