(28)4:2:2デジタルコンポーネント    
 このようにして遍歴年表にもあるように、94年春にスタートしたベーカムSPフルラインナップシステムはさすがに強力で「高画質の太田スタジオ」のイメージは定着(自意識過剰か?(^_^ゞ)、おかげでお仕事も順調に実績を伸ばし、ようやく高画質行脚お遍路の旅は終着駅についたかに思われたのです。
 事実、97年夏までの3年間以上の間、清水の舞台から飛び降りるようなこともせず、平穏?な日々が続いたことからもわかります。
 勿論、その間にはパソコンディスプレーを使って疑似ハイビジョンに挑戦したり、96年夏にはインターネットHPを開設して全国の高画質マニアに呼びかけたり、はたまたビデオ評論家の飯田明先生とお知り合いになったりなど、元来飽きっぽい性格ゆえ、高画質道?への熱意が冷めないような努力はしておりました。
 ま、あまり莫大な投資をし続けたこともあり、休養期間でもあったわけです。(^_^ゞ

 そしてそんな97年の春、私のところに、共信電気(現共信テクノソニック)からソニー放送機材の内覧会案内状をいただいたのです。
 業務用機材のまとめ買いをしてから、映画機材展以外にも、そういった内覧会の招待状を戴けるようになったのです。ヽ(^O^)ノ
 しかし既にその頃は、業務用、放送用も含めての画質の差は、各社とも僅かとなり、ある程度好みの差の範疇といえるくらい、NTSCという規格内では限界かな?と感じるようになっていました。
 単管から3管、そして3CCDと、そういったような極端な違いを期待くはできなくなっていたのです。
 幾分冷めた気持ちで訪れた展示会でしたが、、。
   ところがその内覧会で、デジタルベータカムの映像デモをやっていたのです。
 私は最初ハイビジョンと感違いするくらい、びっくりしました。
 20インチのマスモニに出力している映像は、しらくらで初めてみた飯田先生の「ハイビジョンより綺麗なNTSC」の再来でした。
 しかも、しらくらでの実演では、池上の20インチのマスモニを、水平、垂直とも掃引幅を10インチ程度に縮めてみていたのですが、デジタルベータカムの映像は、あの10インチに縮めた画質そのままに、20インチでみることができたのです。
 まさに再生映像がカメラスル−のような美しさだったのです。
 そのデジタルベータカムとは、1/2圧縮4:2:2コンポーネントデジタルという規格でした。
 松下ではD5デジタルという規格で、非圧縮の4:2:2コンポーネントデジタルを開発しておりました。
 その時点では、4:2:2コンポーネントデジタルは2社しかありませんでした。
 そして、いずれも編集用デッキしか無く、とても手の届くものではありませんでした。
 しかし、その私の脳裏にはふつふつと血潮が沸き上がるのを感じていたのです。ヽ(^O^)ノ
   そして1年後、BVWー50のデジベタバージョンとしてDVWー250がリリースされたのです。しかも編集用デッキの半値以下でした。
 デジタルですから、本質的性能の差はないはずですし、カメラは同じNTSCということで手持ちが使えます。
 しかしそれが2年間にも及ぶ絶望的な状況への序章だったのです。
    4:2:2デジタルコンポーネント(2)続く。