(16) DXCーM7の感動的登場    
  Uマチックからまた1/2インチに戻ってしまいましたが、SVHSではテープが大きすぎるし、8ミリハイエイトではいまいち力不足と感じ、EDベータはしばらく私のメインアイテムとして君臨したのです。
 そして、ビデオの趣味も一段落かに思えた頃、M3-AやDXC-3000を使って約半年、1988年(平成元年)に、業務用カメラとして、それまでの常識を破るようなのが、ソニーから出現したのです。
 その頃はやはり撮像管が中心で、CCDでは少なくとも局レベルでは使えないとされていたのですが、CCDの製造技術の進歩で、管と肩をならべられるような3板式CCDカメラが出現したのです。
 DXC-M7というカメラがそれで、
 水平解像度700本、S/N.60db,2000Lux(F6.7) リニアマトリクス装備
という優れたものでした。
 もっとも、その頃すでに、ベータカム一体型はBVW-200等がリリースされており、BVP-5,50などの局用カメラがCCDカメラとして活躍始まってはいたのです。そして、BVP-7という局用カメラの業務用バージョンがDXC-M7(但しドッカブルではない。)といわれていたのです。
 報じられる評価はすべて最高の賛辞が贈られており、私も興味を抱かずにはいられませんでした。
 しかし、価格が175万円ということで、既にM-3Aや3000をもっているので高額な出費を考えると迷うのは当たり前、それでも、いったいどのくらい凄いのだろう?と、今までにいやというほどカメラの性能の違いを体験済みなだけに、夢にまで見るようになってしまったのです。(^_^ゞ
 そして、発売開始と同時に、例のサロン特機の水野社長に電話をしたのです。
 勿論その時はM-7の話題を水野さんからコメントしてもらえば、幾分気が晴れるかな?といった程度だったのです。
   
   ところが、驚くなかれ水野さんのところには既にM7があるというのです。普通こういった新製品は予約して何カ月も待たされるのが常識?だったのですが、何台か在庫しているので、いかがですか?などと云われてしまったのです。
 いわゆる衝動買いというのにも限度がありますから、一応値段だけでも聞いておくつもりでしたが、何と水野さんが「何なら太田さんのM3Aを下取ってもいいですよ」との甘ーい一言に、それなら可能性?も、と「いくらぐらいで取っていただけるんですか?」と聞くと、
「お譲りした価格で引き取ります。」
 えっっっっっ〜〜、と驚いた私は動転して、
「では、90万円で取っていただけるんですか?本当ですか?」と何度も聞き返してしまいました。
 入荷したばっかりの超新品が電話の向こうに、、ここで引き下がったら男ではない?と感じて思わず「買います。押さえて下さい。」とどなってしまいました。

 差額の約90万円はどうにか工面できそうでしたし、これでカメラは最新型の新品ということで、例の後輩にあっと云わせたい等の馬鹿げたことも頭をよぎり、地元ど田舎佐野地域では最高のカメラということで、誰に臆することなく撮影に出られると考えたのです。  だいたい映像業界のブランド志向の強さ?は半端ではないものがございます。
 そして次の日にはDXC-M7が手もとに!

   

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